こんにちは。1週間にわたる部活の合宿が終わり家で一息ついてる、あきのりです。

突然ですが、みなさん「オズの魔法使い」という童話を読んだことはありますか?

読書が好きな僕ですが、中でも童話は本当に大好きな本のジャンルです。
子供向けに書かれているため、内容がわかりやすく、あまり長くもないのでとても読みやすいのです。
しかし、簡単に読めるからといって侮ってはいけません。

実はとても深くて考えさせられる物語であることが多いんですよね。
本を読むのが苦手。でも、読書に挑戦したいという人は童話をまず読み始めてみることをお勧めします。

 今日はそんな童話の中でも僕が一番好きな、「オズの魔法使い」についてお話ししたいと思います。

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おそらく、みなさんどこかでこのお話の名前は聞いたことがあると思います。

絵本であったり、映画であったり、演劇であったり、様々なメディアを通して今も世界中の人々に愛される物語です。
ただし、有名なお話であるにもかかわらず、「あまりよく知らない…。」という人も多いとおもいます。

そんな人のために、今日はオズの魔法使いの魅力に迫っていきましょう。

▪️オズに飛ばされた少女の冒険
実はこのオズの魔法使い。アメリカ版の桃太郎と言われているのはご存知でしょうか。
というのも、話の構成が桃太郎にとてもそっくりなんですよね。
あらすじを見ていきましょう。

これは、オズという異国の地に飛ばされた、ドロシーという少女の冒険のお話です。

カンザスに住んでいたドロシーと愛犬のトトはある日、竜巻に巻き込まれて家ごと吹き飛ばされてしまいます。運良く怪我もせずに降り立ったのは、オズという色鮮やかで素晴らしい国でした。

家が落ちたマンチキンという小さな人間の村には、東の悪い魔女がいましたが、その魔女は落ちてきた家に潰されて死んでしまいました。東の悪い魔女が死んだとマンチキンたちはよろこび、一躍ドロシーは英雄になります。

戸惑うドロシーの元に、北の良い魔女が訪れて、オズの国について教えてくれます。
カンザスに帰りたいと願うドロシーでしたが、その方法はわからないと告げられ落胆してしまいます。
しかし、強大な力を持つオズの魔法使いならば、できるかもしれないと教えてもらい、東の悪い魔女が履いていた銀の靴を身につけ、その希望を胸にエメラルドシティに住むオズの元へ旅立ちます。

▪️道中で出会う3人?の仲間
旅の途中、ドロシーは3人(人ではない者もいますが…。)の仲間と出会います。

カラスにバカにされて悔しがっていたカカシは、知恵を働かせることのできる脳みそをもらいに。
悪い魔女にいじめられ肉体を失ったブリキのきこりは、人を愛する心をもらいに。
小さな犬すらも怖い臆病者のライオンは、戦いに挑むことのできる勇気をもらいに。

途中、死を誘うケシの花畑や、面倒臭い門番をくぐりぬけ、自分に欠けているものを得るために、オズの魔法使いを訪ねます。

▪️西の悪い魔女を退治しに。
それぞれが自分の願いをオズの魔法使いに伝えますが、オズの魔法使いはその願いをすぐには聞き入れてくれませんでした。そして、ある条件をドロシーたちに提示します。
それは、「西の悪い魔女を探し出し、やっつけろ」といものでした。

一行はしぶしぶ、自分たちの願いを叶えるために、魔女退治に出発します。
途中、悪い魔女は何度もドロシーたちを攻撃してきます。きこりとカカシはやっつけられ、ライオンとドロシーが奴隷になってしまう場面も。

しかし、知恵を振り絞って戦うカカシ、大切な仲間を思いやるブリキのきこり、勇気を振り絞って果敢に戦ったライオンの活躍もあり、困難を乗り越えてドロシーは偶然、西の悪い魔女を退治します。そして、オズの魔法使いの元へと帰ります。

▪️オズの魔法使いは実はただの人間!?
エメラルドシティにもどり、オズの魔法使いに会ったドロシーたち。
ところが、姿を見せたオズの魔法使いはドロシーと同じく、たまたまオズの国に降り立ったただの人間で、魔法をつかうことなどこれっぽっちもできなかったのです。当然、魔法でドロシーたちの願いを叶えることはできません。

しかし、オズの魔法使いはカカシ、ブリキのきこり、ライオンに、欲しがっているものは、もうすでに持っているということに気づかせてあげます。3人に足りないのは、知恵、心、勇気ではなく、それらを自分が持っているという自信でした。オズの魔法使いはそれを目に見える形にして与えたことで、自信を与えたのです。

ただし、ドロシーの願いだけは簡単には叶いません。なんたって、ここはカンザスではないのですから。
そこでオズの魔法使いは、気球でドロシーと一緒にカンザスに帰ることを提案します。ドロシーは、カンザスに帰れると知って大喜び。
しかし、トトが乗り遅れたことにより、ドロシーも気球には乗れず、オズの魔法使いだけが飛び立ってしまうのでした。

▪️みんなの願いが叶い、ハッピーエンドに
ドロシーはカンザスに帰れずに泣きじゃくっていましたが、南の良い魔女グリンダならそれができるかもしれないと考え、一行は南へ向かいます。

闘う木の森や、繊細な陶器の国を乗り越えて、ドロシーはグリンダの元にたどり着きます。

かかしたちは、ここまでの旅の途中で自分のやりたいこと、やるべきことを見つけることができました。
かかしは、オズの魔法使いがいなくなったエメラルドシティの新しい統治者に。
きこりは、西の悪い魔女がいなくなった城の統治者に。
そして、ライオンは闘う木の森に住む百獣の王になります。

そして、グリンダはドロシーに、自分が履いている銀の靴のかかとを三回鳴らすだけで、この世のどこにでもいける魔法の力があることを教えます。
これによって、ドロシーとトトはカンザスに戻ることができたのでした。

▪️作者はこのお話で何を伝えたかったか?
どうでしたか?自分が抱いていた「オズの魔法使い」のイメージと違ったという人も多いと思います。
それもそのはずです。実は、約100年以上前に書かれたこのお話は様々なメディアを通して語られてきた中で、徐々に変わっていった部分が多くあるのです。
特に原作と映画では全然違います。今回のあらすじは、原作にできるだけ忠実に書きました。

ただし、どのようにストーリーが変わっても共通しているのは、3人の仲間とともに西の悪い魔女を倒しに行くというストーリーです。

やはり、犬猿雉を連れて鬼ヶ島に鬼を退治しに行く桃太郎と似ていますね。

では、作者のライマンはこのお話で何を伝えたかったのでしょうか。

このお話のタイトルであるオズの魔法使いは、作中でドロシーたちに何かのきっかけは与えてくれたものの、願いを叶えてはくれませんでした。かかしも、きこりも、ライオンも、そしてドロシーも、行動することによって、自分で自分を変えて、自分の願いを叶えることができました。

もしかしたら、ライマンは、夢や願いは叶えてもらうものではなく、自分で現実にしていくものであるということを伝えたかったのかもしれません。

作者のライマンについて調べてみました。
ライマンは石油業界の成功者の父親を持つ裕福な家庭で生まれましたが、体は病弱でした。
しかし、彼は様々なことに挑戦し続ける生涯を送りました。

新聞記者、演劇業界、セールスマン…。

そして、40代で童話の創作を始め、1900年に発表された「オズの魔法使い」の大ベストセラーで、自身の力で成功者となったのです。

このオズの魔法使いは、裕福な家庭に甘んじることなく病弱な体でも常に挑戦し続けて、自分の力で夢を現実にしようとした、ライマンの人生が詰まった作品なのではないでしょうか。

そんな彼の想いの詰まった作品だからこそ、100年以上経った今も語り継がれているのだと思います。

詳細に書いたつもりではあるのですが、やはり抜け落ちている箇所も多くあるので、興味を持ってくださった方はぜひ全文読んでみてください。

このお話は本当に大好きな作品なのでまた詳しく紹介する機会があるかもしれません。そのときは、またよろしくお願いします。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

あきのり